SEがフリーランスになるには?未経験から独立するステップと注意点を解説

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会社員として働くSEの中には、「もっと自由に働きたい」「スキルを活かして独立したい」と考える人も増えています。

とはいえ、フリーランスになると聞くと「本当にやっていけるの?」「何から始めればいいの?」と不安になるのも当然のこと。

この記事では、SEがフリーランスとして独立するための基本ステップや注意点をわかりやすく解説します。

未経験からでも目指せるのか?どんな準備が必要か?といった疑問にもお答えしています。
将来の働き方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

そもそもSEはフリーランスになれるの?

結論から言うと、SEは活躍できる場が多く、十分にフリーランスとして活躍できる職種です。

実際に、僕の周りでも多くのエンジニアが会社員から独立し、案件を受けながら自由な働き方を実現しています。

ただし、フリーランスになるには「どんな働き方なのか」「どんなスキルが求められるのか」「メリット・デメリットは?」といった基本的な情報をしっかりと把握しておくことが大切です。

ここからは、SEがフリーランスとして独立するにあたって知っておきたい基礎情報を、順を追って解説していきます。

フリーランスSEの需要は高まっている

近年、フリーランスSEの需要は着実に増加しています。

その背景には、IT人材の慢性的な不足に加えて、企業側の開発スピードの加速やコスト最適化ニーズがあります。特にベンチャーやスタートアップ企業では、即戦力として活躍できる外部のエンジニアのニーズが高く、社内エンジニアを抱えるよりも柔軟な契約が可能なフリーランスエンジニアとの業務委託を選ぶケースが増えています。

また、リモートワークやプロジェクトベースの働き方が一般化してきたことで、「正社員でなくても優秀な人材に任せたい」という企業の考え方も広まりました。その結果、従来は正社員に限定されていたような開発案件やインフラ業務にも、フリーランスが関わる機会が増えてきました。

実際、フリーランス専門エージェントでも案件数は右肩上がりに増加しており、「収入を上げたい」「働き方を自由にしたい」といった理由から独立を検討するSEも増加傾向です。

こうした状況からも、今はまさにフリーランスSEとしてチャレンジしやすいタイミングだと言えるでしょう。

実務経験があれば独立可能

「フリーランスになりたいけど、フリーランスとして働いたことがないから不安…」

そんなふうに感じているSEの方も多いと思います。ですが、フリーランスとしての実績がなくても、実務経験があれば独立は十分に可能です。

実際、フリーランス案件には実務経験3年程度や、経験年数を設けていないものも多く、エージェント経由なら「〇〇系の開発経験があればOK」「〇年以上の業務経験があれば歓迎」といった案件を見つけることができます。

特に、JavaやJavaScript、PythonやPHPといった需要の高い言語での開発経験がある方は、それだけでフリーランスとしてのスタートラインに立てるケースが多数あります。

また、過去の業務での実績や開発プロジェクトの内容をしっかりと言語化できれば、面談時のアピール材料としても有効です。

つまり、「フリーランスとしての経験がないから無理」と諦める必要はまったくなく、会社員時代の経験や持っているスキルをどう活かすかがカギになります。

どんな人が向いてる?

フリーランスSEへの道に興味があっても、「自分に向いているのか分からない」という不安はつきものです。フリーランスとして活躍しやすい人の特徴は下記のとおりです。

自己管理ができる人
納期の管理やスケジュール調整、同時並行でいくつの案件を受けるかはすべて自分次第です。誰かに指示されなくても、一定のリズムで作業を進められることは大きな強みになります。

コミュニケーション力がある人
「相手の要望を正確に理解し、成果物に落とし込める」「報連相がきちんとできる」といったスキルは、信頼されるフリーランスになるためには欠かせません。

変化を楽しめる人、新しい技術を学び続けられる人
会社員と違って、学びを強制される環境ではないため、能動的に知識を深めていける姿勢が成功のカギになります。

つまり、特別なスキルがなくても、「自立・責任・成長意欲」があれば、フリーランスSEとしての適性は十分にあると言えるでしょう。

SEがフリーランスになるメリット・デメリット

フリーランスとして働くSEには、正社員とは違った自由さと可能性が広がっています。

一方で、すべてがメリットばかりではなく、当然ながらリスクやハードルも存在します。

ここでは、実際にフリーランスとして働く前に知っておきたい、「メリット」と「デメリット」それぞれの視点から、現実的なポイントを整理していきます。

「思っていたのと違った…」と後悔しないためにも、事前にしっかりと情報を把握しておきましょう。

【メリット】自由な働き方と収入UP

フリーランスSEの最大のメリットは、「時間や働き方の自由度が高いこと」と「収入アップの可能性があること」です。

会社員であれば、出社時間・業務内容・勤務地などが会社の方針に左右されますが、フリーランスであれば、案件の内容や働く時間、場所を自分で選ぶことができます。リモートワーク案件も多く、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能になります。

また、単価交渉や複数案件の掛け持ちもできるため、スキルや実績次第では年収を大きく伸ばすことも可能です。

実際に「会社員時代の1.5〜2倍の収入を得ている」という声も珍しくありません。ただし、収入が保証されているわけではないので、「スキルや案件選びが収入に直結する」という点はしっかり理解しておく必要があります。

【デメリット】安定性・営業力・税金対応

フリーランスSEには自由や収入面での魅力がある一方で、「安定性の欠如」や「営業・事務対応の負担」といったデメリットも存在します。

まず、会社員と違い、毎月安定した給与が保証されているわけではありません。案件が途切れると収入がゼロになるリスクがあるため、継続的な仕事確保が課題になります。

また、案件は自分で獲得していかないといけないため、応募して自分を売り込んでいくスキルが求められます。

加えて、請求書の発行や確定申告、経費管理など、税務まわりの事務作業も自己管理が必要です。

これらの点を踏まえると、フリーランスとして成功するには「技術力」だけでなく、「自己管理力」「ビジネススキル」も不可欠になります。

正社員との違い

SEがフリーランスになるにあたって、正社員との違いを理解しておくことが重要です。

どちらが良い・悪いという話ではなく、自分に合った働き方を選ぶための判断材料になります。

社員対フリーランス違い比較表

このように、正社員とフリーランスは「安定性」と「自由度」のバランスが大きく異なるため、ライフスタイルやキャリアの方向性に応じて最適な選択を考えることが大切です。

SEがフリーランスになるためのステップ

フリーランスとして活動を始めるには、単に退職して仕事を探すだけでは不十分です。安定して案件を受注し、継続的に収入を得ていくためには、事前にやっておくべき準備がいくつかあります。

ここでは、スキルや経歴の整理から案件の探し方、最低限の開業手続き、安定した働き方を実現するための工夫まで、ステップごとに解説していきます。

自分のスキル・経験の棚卸し

フリーランスとして案件を受けるには、自分が「何ができるのか」「どの領域に強みがあるのか」を明確にしておくことが不可欠です。企業はスキルや実績をもとに案件を依頼するため、これらが曖昧なままだと信頼を得るのが難しくなります。

まずは、これまでのプロジェクト経験や扱ってきた言語やフレームワーク、開発環境、成果物などを洗い出してみましょう。加えて、チーム開発の経験やリーダーシップ、納期管理、顧客対応などの非技術的な強みも棚卸ししておくと、アピールポイントになります。

この整理ができていれば、エージェントに登録する際のスキルシート作成や、クライアントとの面談でもしっかりとアピールできるため、スムーズに対応できます。

案件の探し方を知る

【クラウドソーシングサービス】
・サービス:クラウドワークスやランサーズ、ココナラが該当します。
特徴:案件数が多く、ジャンルや未経験でも始めやすい小さな案件も多く揃っているのが特徴。
注意点:始めやすい反面、単価の低い案件も多い。

【フリーランス専門エージェントの活用】
・サービス:レバテックフリーランス、Midworks、シューマッワーカー
・特徴:希望に合った案件の紹介をしてもらえる、高単価案件が豊富、担当者によるサポートあり
・注意点:実務経験が1年以上あるエンジニア、

【知人・元同僚・紹介経由での獲得】
特徴:信頼関係があるため、継続や単価の交渉がしやすい
注意点:安定して案件があるとは限らない。案件企業の期待を大きく下回ってしまうと、紹介してくれた人の評価も悪くなってしまう

【SNS・ポートフォリオサイトを活用した集客】
例:X、Wantedly、note、GitHub、個人ブログなど
特徴:ブランディングにもつながるが、即効性は低め

一方で「フリーランス専門エージェント」は、スキルに応じた高単価案件を提案してくれるため、実務経験のあるSEには特におすすめです。営業や単価交渉、契約まわりのサポートも受けられるため、独立後の不安も軽減されます。

また、知人や元同僚からの紹介で案件を獲得するケースもあります。自分のスタイルや希望する働き方に合った方法を、複数組み合わせながら活用していくのが理想です。

知人からの紹介は一定以上の報酬が見込めることも多いですが、その分注意すべき点もあることを知っておきましょう。

最低限の開業手続き

フリーランスとして活動する際は「開業届」を提出しましょう。

これは税務署に「個人事業を始めました」と報告するための書類で、提出は無料です。この開業届の提出と合わせて「青色申告」を出すことで、節税効果も得られるようになるので、忘れずに行いましょう。

また、フリーランスになると年末調整がなくなるため、自分で「確定申告」を行う必要があります。帳簿を付けたり、経費を整理したりする習慣を早い段階で身につけておくと、あとで慌てずに済みます。

確定申告においては、会計ソフト(弥生会計、マネーフォワード)などを使えば、日々の経理や申告もグッと楽になります。最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、後回しにせず、基本だけでも押さえておくと安心です。

仕事の安定化のために準備しておきたいこと

フリーランスとして長く安定的に働くためには、案件獲得以外にも、下記の3つは意識して行動に移しておく必要があります。

・スキルのアップデート
SEだと、案件によって求められるスキルやプログラミング言語が異なります。また、開発言語や技術のトレンドも変化が早いため、常に学び続け遅れを取らないようにしておく必要があります。

さらに、既存案件の人から別言語での案件紹介をしてもらえることもあります。これに応えられれば、仕事の安定に繋がるだけでなく、信頼関係の構築にもなるでしょう。

・人的ネットワークの構築
クライアントや同業者とのつながりを持つことで、継続案件や新たな仕事につながるチャンスが増えます。SNSや勉強会、コミュニティなども積極的に活用していきましょう。

・収入の分散
比較的受けやすい単発の案件ばかりではなく、長期案件も受けるようにしましょう。また、条件の合う案件がない場合は、他のサービスも利用するのがオススメです。

定期的な収入源があることで、精神的に安心してフリーランスとしての活動をしていけるでしょう。

独立する際の注意点

「独立のタイミングは悩ましいが、正解は一つじゃない」
「準備不足で勢いだけの独立はリスク大」
「この章では、失敗しないための準備や判断軸を紹介」

どのタイミングでフリーランスとして独立するのが適切なのか悩ましいところですが、タイミングに正解はありません。ですが、準備不足のまま独立するのはリスクがあります。

ここでは、失敗しないための準備しておくべきことを紹介します。

退職前にやっておくべきこと

以下のことを事前にやっておきましょう。

・副業で案件の経験を積む
まず、副業やクラウドソーシングで実際に案件を経験しておくことが大切です。実績があることで立ち回り方がわかり、独立後の新規案件獲得がスムーズになったり、関わりのあるクライアントからの継続契約にもつながる可能性があります。

・案件紹介サイトやエージェントに登録する
フリーランス向けエージェントに登録し、案件相場や自分の市場価値を把握しておくのも大切です。これにより、一般的に求められるスキルや案件の傾向や、それぞれのサービスによる特徴が見えてきます。

・保険や事務手続きなどに関する知識
フリーランスになると国民保険に入ったり税金の支払いなどを自分で行わなくてはいけなくなります。これらを事前に調べておくことで、独立後の申請忘れを防ぐことができます。

・家族や周囲への相談、理解
忘れてはならないのが、家族やパートナーがいる場合は、生活面での理解を得ることです。フリーといっても家族やパートナーとのチーム戦のため、大切な準備のひとつです。

収入が安定するまでの想定期間と貯金の目安

フリーランスSEとして独立しても、すぐに安定した収入を得られるとは限りません。案件を獲得してから実際に報酬が振り込まれるまでにはタイムラグがあるため、独立直後は収入ゼロの期間が発生することを前提に準備する必要があります。

案件の受注状況にもよりますが、一般的には収入が安定し始めるまでに3〜6ヶ月程度かかると言われています。そのため、最低でも基礎生活費(最低限の生活をするための資金)の6ヶ月分、可能なら1年分以上の貯金を確保しておくようにしましょう。

特に、家賃やローン、家族の生活費など固定費がある方は、余裕を持った資金計画を立てましょう。また、案件単価の相場感や生活費を具体的にシミュレーションしておくことも大切です。

独立前に確認しておくこと

フリーランスSEとして独立すると、「思っていたより案件が取れない」「収入が不安定すぎて生活が苦しい」といったギャップに直面するケースも少なくありません。

こうした後悔を防ぐためには、独立前に「本当に自分はフリーランスに向いているのか」を冷静に見極めることが重要です。

事前に確認しておきたいポイントは次の3つです。

・案件がなくても耐えられるメンタル/貯金があるか
・スキルや経験に需要があるか(業界調査・市場感の把握)
・安定志向か、挑戦志向か、自分の価値観を整理する

フリーランスとしての理想の働き方や憧れだけでなるのではなく、しっかりと自分の適正も見極めるようにしましょう。

よくある質問と不安へのアンサー

フリーランスSEになるとき、多くの人が不安や疑問を抱くものです。

ですが、初めての挑戦だからこそ心配になるのは当然です。

ここでは、よくある不安に対して、その解消法をわかりやすくお伝えします。

営業経験がなくても大丈夫?

フリーランスの案件獲得は、営業の経験がなくても問題ありません。

特にIT・Web系のフリーランス案件は、自分のスキルをしっかりと棚卸ししたり、エージェントを活用したりすることで、「営業なし」で案件を獲得することができます。

初めは小さな案件や、単発の案件からスタートし、実績を積み上げていくのがコツです。

自分のスキルに自信がないけど大丈夫?

結論、問題ありません。

自分にとっては当たり前のスキルでも、企業にとっては求めていたスキルなんてことは往々にあります。そのため、自分には提供できるスキルはないと弱気になる必要はありません。

もし、案件を通して自分に足りないなと思うスキルがあれば、それに気付いた時点で身につけていけばいいだけです。

それでも「どうしても自分のスキルに不安がある」という方は、副業から始めて、他の企業がどういうことを求めているのか、自分のスキルにはどういう需要があるのかなどを把握しつつ、徐々にステップアップする方法もあります。

最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。

フリーランスになった後、正社員に戻れる?

正社員への復帰は十分に可能です。特にIT業界は、フリーランス経験をプラスに評価する企業も多く、「幅広い経験」や「自走していけるエンジニア」としてアピール材料になります。

ただ、正社員への転職面接の際は、フリーランスとしてのネガティブな部分は伝えてしまわないように、ポジティブな言い換えをするように注意しましょう。

まとめ

SEがフリーランスとして独立するのは、決して特別なことではありません。

スキルや経験を活かし、自分らしい働き方を手に入れるチャンスは、誰にでも開かれています。

もちろん、収入の不安定さや営業、税金の手続きなど、乗り越えるべき課題もありますが、しっかりと準備と情報収集を行えば、フリーランスとして活躍する未来は十分に実現可能です。まずは、自分の希望やライフスタイルに合った働き方を整理し、必要なスキルや知識を磨くなど、しっかりと準備をして自分らしいキャリアを築いていきましょう。

「いきなり独立は不安…」という方も、副業や複業からスタートすれば、リスクを抑えながら経験を積むこともできます。

しっかり準備して、自分らしいキャリアを築いていきましょう!

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